旅館花屋について
この町家を、これからも残していくために。
花屋は、築約100年の元呉服商の町家を受け継ぎ、1949年に創業しました。
現在は三代目となります。
私はこの建物で生まれ育ち、幼い頃から町家のつくりや暮らしに興味を持っていました。
いつかこの町家を自分の手で手入れし、旅館を受け継いでいきたい。
そんな想いから建築士となり、現在もこの町家と向き合いながら旅館を営んでいます。
暮らしながら、少しずつ手を入れてきました。
かつては映画関係や呉服関係のお客様にも多くご利用いただき、賑やかな旅館でした。
時代とともにお客様の過ごし方も変わり、現在は京都を訪れ、静かにゆっくりと過ごされるお客様が多くなりました。
日々のお客様とのふれあいや、掃除、そしてここで暮らす中で気づいたこと。
その一つひとつを大切にしながら、少しずつ町家に手を入れてきました。
快適に過ごしていただけるよう改修を重ねていくうちに、現在の「一日二組」という形になりました。
2022年、町家の良さを残しながら改修しました。
2022年には、さらに快適に過ごしていただけるよう、改修を行いました。
一階・二階ともに八畳二間続きの客室とし、ゆっくりとくつろいでいただける空間に。
昔ながらの町家のしつらえはできるだけ残しながら、水廻りは新しく、使いやすく整えました。
二階には専用のシャワールームも設けています。
旅館というより、町家の良さを。
花屋が大切にしているのは、いわゆる「旅館らしさ」だけではありません。
この町家そのものの良さを感じていただきたい。
表屋造りの町家の間取りや建具、庭、光や風。
そうしたものをできるだけ残し、町家の住人になったような気持ちで過ごしていただける宿を目指しています。
現代の宿とは少し違うところもあります。
町家本来のつくりを残しているため、お部屋には浴室・トイレがございません。
また、現代の建物のような十分な防音設備もありません。
ご不便に感じられることもあるかと思います。
けれども、そうした昔ながらのつくりだからこそ感じられる、町家ならではの空間があります。
便利さだけではない、京都の町家で過ごす時間をお楽しみいただけましたら幸いです。
旅館 花屋
当主 伊藤真二(一級建築士)

